風

風

私は自転車を漕いだ。
それはもう必死で、本屋へ向かってたのだ。
ほしい本が三冊ほど、ある。
買えるうちに買ってしまおう、
それが私の心内だった。
最近の私の人格を作り上げたのは
どう贔屓目で見ても本たちだろう。
そういう私自身も物語を書き記している。
他者からの評価はいいとして楽しい事だ。
叶うかは未来の闇の中だが出来るなら
自分の好きな事を職業としたい、
まぁ、今はまだささやかな願いでしかない。
夢となるのはまだ先のことなのだ。
さて、自転車を漕いで少し遠い本屋へ向かう。
最寄の本屋もあるがそこには探している本はないのだ。
だから私はこうして自転車を漕ぎ進めている。
久久に自転車で長距離を走る。
最近家の中に篭り本を読み小説を書く日々を送っていた。
それが楽しみなのだから仕方がない。
何はともあれ本屋には着いた。
さぁ、本を探そう。

続・・・・・・

探していた本は大方見つけた。
当たり前だ、先日行ったときに
確認はしていたのだから。
私の部屋や家の本たちは
減る事は知らないが増える事は得意だ。
今後も増え続けるだろう。
多くの知識を知りたいのだ。
どんな無駄な事でもいい、ただ知りたいのだ。
自転車で駆けるときに感じた風たちは
私なんかより沢山のことを見て、知っているだろう。
知らない事を教えてくれる本が私は好きだ。
私に恋人がいるか、と問いを受ければ
即答で本が恋人だ、と返すところだろう。
今回手に入れたのは三冊。
二冊は好きな作家の本をもう一冊は
推理小説だ。
推理小説は読んだことがなかった。
気まぐれで買って読んでみたにすぎない。
けれど面白かったので、近い未来に買うことになるだろう。
そして最寄の本屋で予約をしてきた。
そこで問題がおきたのだ、とはいっても大層な事ではない。
人違いだ、だがこそこそとこちらの事を言われるのは
いい気はしないものだ。
私の文章・・レポートや小説、詩や作文、どれを取っても
いい加減なところのある文章になる。
字が雑なのはしょうがないとする。
何故だかいい加減にした方が面白い気がしてならない。
これも決定的な気まぐれだ。
まぁ、増える事を止めない本たちはそのうち溢れかえるだろう。
それは多分まだ先の話だ。
私はそう思うことにする。
また本を待つ日々が始まる。

ｅｎｄ