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こちらは雑食サイトです そのうちサイト名が変わるかも。 ひとまず始めての方は 道標へ行ってください 荒らしは回れ右です。 BLの意味がわからない、とか BLなんて嫌いな方は 無暗に入って後悔しないように・・・
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百人百話 其の六残り九拾四話
 
紅椿秘話 クレナイツバキノカクレバナシ

「なぁ、椿が花ごとを散る訳教えてやろうか」
隣にいる親友がそれはもう愉快そうに言う
僕と彼の足元には散ったばかりの椿が
真っ紅に輝いている
「どうして」
そう問うと薄い唇の両端を歪めた
「椿は人の亡霊なんだボトリと花ごと落ちるのは
人の首と同じだからだよ」
「どういう意味?」
「桜の木の下には死体があるって言うだろ、それと同じ」
その話はよく聞く
桜の桃色は元来の白さと死体から流れた血の紅が
混じったのだと
「椿の木の下には斬られた首が埋まってるんだって
昔打ち首とかあったろ」
「嘘つき、君はいつもそうだ」
不貞腐れたように言う
「お前は臆病だな、そうだよ全部嘘だよ」
可笑しそうに彼は笑う
その言葉を聞いてさっき言っていたことは真実なのかと
また疑った
「どれがホントなの、わかるように言ってよ」
「全部嘘だってば」
彼は苛立ったように言う
「そんなに疑うなら試しに木の下掘ってみる?」
からかうように口元を歪めて言う
けれど眼は笑っていない
「怖がり」
ヒンヤリとした冷たい声で言われビクリと肩を揺らす
「大丈夫かよ、泣きそうだぜ」
「泣いてなんかないよ」
「泣いてるとは言ってないよ」
誘導尋問だ
「ホントに掘ってみようか」
「や・・やだよ」
「やっぱり怖がりだ」
そう言われ頭にきて一人で歩き出す
「待てって」
そう言われ振り向けば視界が紅だった
「わっ・・・」
ビックリして座り込んでしまった
親友は椿を抱え笑っている
「ほら、泣くなって」
「うるさい・・・驚かせたのは君だろ」
ビックリして溜め込まれていた涙が零れてきた
「怖がりの泣き虫だ」
可笑しそうに、楽しそうに笑いながら言う
そうしながらポンポンと頭を撫でてくれている
「帰るか」
「うん」
帰り途中あの話は本当なのかを尋ねたが
笑ってはぐらかしてしまった
拾い集めた椿をばら撒きながら歩くだけだった

世の中には逸話なんて山ほどある
桜の木にしたって
椿の木にしたって
その鮮やかな色のヒミツを知る者は
結局いない

 


End




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百人百話       其の五残り九十五話

 幻の様な

  幻の様なそんな形容詞がぴったりな現(うつつ)
表面だけでも居場所があるシアワセ
偽りだけど、だから幻。
現実なんて何処にあるの
すべてが幻のようで
僕の手は空を斬るだけ
ぼんやりと
ゆっくりと
けれど確実に僕を崩して壊す幻
幻の鏡に写る現実(せかい)
ねぇココは幻?
それとも現?
それさえ見極める事が出来ない
いっそ壊れてしまえれば
いっそ見えなくなってしまえば
いっそ聞こえなくなってしまえば
どれほど楽になれるんだろう
すべてが一瞬で崩れてしまえば、壊れてしまえば
楽なのに
それを許してくれない
崩れさせてよ 壊れさせて
すべてが怖いから
すべてが憎いから
怖いから何もかもが
憎くてしょうがないから
幻の様な現
今僕とともに崩れ去る

         End

百人百話        其の四残り九十六話

+遠い御伽噺+

「オトギバナシって何処にあるのかな?」
「在っても届くわけないでしょ」
夢のない奴。君が笑う。
「夢なんて置いてきたもん」
僕もそうして笑うの、君とは違って少し自嘲的に。
「どうしたんだよ」
僕が笑う度にそうやって問うてくるの。
「お前って無理して笑うみたい」
だって君が僕より、うんと綺麗なんだもの。
「・・・・うんと遠くにあるんだよ、御伽噺って」
「じゃあ、届かないな」
そう、御伽噺の在るところは遙か高いソラ。
御伽噺・・・オトナが幼いコドモに夢を持たせるための単なる道具。
      とても綺麗な矛盾を抱える道具。
道具にしか過ぎない。
でも綺麗な綺麗な道具、夢のないニンゲンが触れれば崩れる
もろいもろい道具。それが御伽噺。

End


百人百話      其ノ三残り九十七話
 

後残り

   謝る声がなんども聞こえる。
誰の声だろう?何度も何度も、許してあげればいいのに。
可哀相な声、何度も聞いている僕の身になってほしい。
「ね、誰に謝ってるの?」
問うてみても帰ってこない。当たり前だ、謝ってるのは眼では見ること
出来ない幽霊か、はたまた妖怪か何かだろうから。
それにしても・・うっとうしいことこの上ない。
「うるさいよ、ずっとずっと。」
せめて姿をみせるなり、どっかいくなりしてはくれまいか・・。
「ね、君はだぁれ?」
自分はまだ13の子供。答えてくれたっていいと思う。
難しいことは分からないし、頷くことくらいは出来る。
ひとまず分かってることは若い男ということだ。
自分とそんなに変わらない気がする。
そして返答なし。いつも通りの答えだ。
小さい頃からこの季節になると聞こえる声。
誰の声?他人に聞いても何も聞こえない、それが常だ。

百人百話         其の二残り九十八話

永遠に抱くもの。

   痛い。何処かは分からない。ただ何処かが痛い、痛くて痛くて堪らない。
いつから痛いのだろう?それさえわからない。
「どうして?」
乾いた声がポツリと零れる。涙は枯れて痛みにだけ体が反応する。
なんて使えない体だろう。
いっそ消えてしまえば楽なのにそれさえ赦されない。
「消えたい・・・。」
痛みにもう堪えたくない。だから消えたい。
命をかけるようなものはない。
あるのは、役に立たない体。
もう一つは弱い弱い心。
「痛いのはどっち・・・?」
思い出せない。沢山の大切な記憶たちを。
泣くための涙はどこに?今泣いてしまいたいのに。
どうして隣に君がいないのだろう?
それは僕が湖に突き落としたから。
認めたくない。認めることが出来ない。
「これは罰なのかな?」
君を殺めた罰。
自分を殺めることが出来ない。
思い出したい記憶が思い出せない。
この痛みを発するのはこの心。
弱い弱いこの心。
会いたい、なぁんてなんて自分勝手。
そんなの許されない願い、届くことない願い。
痛い。僕の弱い心が。
思い出そうとするたびに心が悲鳴を上げる。
「痛い。」
ただ呟くことしか出来ない。
涙がポロリたった一粒。
また一粒。
ポロリポロリと忘れていたものが落ちる。
僕は親友を湖に落としました。
彼はその時安心したように笑っていました。
それは彼が湖に落ちた僕を助けてくれたからです。
僕はどうすればいいのでしょうか。
きっとずっと痛いのは直ることないかも知れません。
ずっと僕が抱き続けるのです。
彼のことをずっと忘れないように。
ずぅっと、ずぅっと。


         End



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