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「おれ、大人って嫌いなんだ。」
小さい声で鋭く言った。
酷く拒絶を含んだ声だった。
「親も教師も、皆大嫌い。だってうっとうしいもん。
わかったふうにいけしゃあしゃあと。でも監督はそれなりにいいかな。」
口調こそ軽いが硬い声だ。
それに、と付け加えた。
「大人には勝てないから嫌い。」
そうだ、大人には勝てない。
考えも誤魔化しも精神面で大人に勝てない。
でも、
「それは大人が悪いんじゃないだろ。」
「そりゃぁね。気付いてないもんね、嫌われてんの。」
それから薄く笑みを浮かべた。
「わりとさ、城田って苦労してないタイプだろ。
運動できるし、性格良いし、勉強できるし、ルックスもそれなりだし。」
だからだよ、と笑った。
「だから城田は大人が嫌いになんなかったんだよ。
きっと、松下だっておれと同じ心境だと思うぜ。」
目元からコロリと笑みを消して言った。
「以上情報提供終了。帰ろうぜ。」
いつものように笑っている高井を見る。
結局要点は話されたのだろうか。
余計な部分だけを聞かされた気がするし、
松下や高井の本質の欠片を見せ付けられたような気もする。
なにか、ゾッとした。
普通あそこまで人を拒絶するか、そう思った。
高井が今さっき垣間見せた大人への拒絶は酷く冷たいものだった。
自分も松下に拒絶をされた。つい最近の話だ。
あの拒絶はどれくらいのものだったか思い出せない。
いや、思い出したくないだけか。
ひとまず、もう一度会わなければ何もわからないようだった。
++++++++++++++++++
創作文のメモ。
高井くんと城田くんはあまり強くない高校の野球部1年です。
最初はバスケか何かにしようとしたんだけど、ばってりと
ルールが怪しいからなしにしました。
でわ。
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又の名の読み方も;